花屋修行4日め
花屋修行4日目
わたしは『自然界を観察すること。』をボスから教わりました。
いつものように、アレンジメントを作らせてもらっていた時のことです。
「自分が太陽だとすると、花はどっちを向いてる?
この小さなアレンジメントの中に、自然を再構築するんやで。」
はじめは意味がわからなかったです。
でも、それから数日間、道ばたに咲いている花や、雑草に目を向けるようにしてみました。
すると、驚く発見がありました。
一本の木をよくよく観察すると、その葉の一枚一枚の色や形が違っていることがわかります。
枝に目を向けると、その一本一本は重ならないように、全てが太陽の方を向いて力強く上に伸びています。
今まで何気なく踏みつけていた、足元の雑草。そこに小さな花がさいていました。
小指の先よりも小さいその花さえも、太陽の方を向いて生えています。
🙎(自然のひとつひとつには、意味があるんだ。もっと他のことに目を向けてみなさいって、ボスは教えてくれたんだな)と思いました。
小さい頃のわたしは、公園に連れて行くと、何時間も蟻の行列を観察するようなこどもだったと母は話していました。
いつの間にか、目先のことばかりに目を奪われ、足元にある小さな命のことさえ気に留めなくなっていました。
これまで助産師として、命をつなぐお手伝いをしてきた者として、
なんと視野が狭くなっていたのだろうかと気づかされました。
今回のアレンジメントも、思い通りにはできませんでした。
でも、満足できないからと足踏みしていては、先に進めない気がして、
思い切って祖母にプレゼントしました。
祖母は、写真をとって喜んでくれていました。